ショック

術後三日目は棟内歩行も許可に。
痛みもかなり和らぎホッとしたその夜、、それは来た。  ぐっすり寝てた夜11:58?ころ、凄まじい衝撃で起こされた。文字にするとバキーンという感じ、金属が焦げた臭いがするような、一瞬目の前が眩しいほど真っ白に光り胸を日本刀で突き刺されたかのような痛み「痛いっ!」と言ったあと跳ね起きた。すぐに除細動が働いたと思った。苦しい痛いなんて次元を超えた衝撃だった、また細動が有ったんだと思いナースコールを探した途端、またバキーンときた。恐ろしい。悶えながらナースコールを押す。また来たら持たない、へろへろになりながらベッドに座ってたらやっと看護士が来た。「今二回、除細動が作動しました」「ちょっと待ってください、今血圧計持ってきます」、内心『へ?血圧計?』「細動有ったか記録見てみてください」「わかりました」、、戻ってきて血圧測定『そっかあ、看護士出来る範囲を超えてるわな』と思い「心室細動はありましたか?」「いえ、それらしき感じはなかった」との答え。自分でスイッチもいじれない物が体の中にある、それがいつまた高圧電流を浴びせて来るのかわからない恐怖、止めるか取り出したい気持ちになる。それでもその後は作動してないので細動も落ち着いたか、と段々動転も薄らぐ。。でもあの感覚が恐ろしくてしばし眠られないでいると2:00にピーポー~~、と警告音?が10秒ほど鳴り、なんと埋め込んだ所から聞こえる、慌ててナースコール。来てくれたが何も出来ず、、だよね、埋め込んでるんだから。、、そんなに心室細動が頻繁にあるではないかと、横になる。さっきの衝撃がフラッシュバックする、恐ろしい。 緊張疲れでウトウトしかかった3:40頃、なんとまた稲妻が走った<バキーン>「痛いっ!」と飛び起きる。さっきみたいにまたすぐ来るのか?と思うと恐ろしくて堪らなかった。すぐにナースコール、また血圧計、、でもこれは普通でないと、担当医に電話すると言ってくれ少しホッとする。 担当医が来るまでの間、いつまた来るかわからないショックに辛いと言うより怯えてる自分を知る、怯える気持ちなんていつ以来だろうか、自分の中にあるのに自分で何も出来ないってこんなに恐ろしいものかと唖然となる。4:00 ピーポーとまたあの警告音がなる。すぐにナースコール、看護士が来た時はまだ鳴ってて聞こえるのを確認してもらう、と止まった。次に何が来るのか、何の警告音なのか、次なる電気ショックなのか気が休まらない。
そのすぐ後、担当医とメーカー?の人が来た。担当医は普段着のまま、飛び起きて来てくれたのだろう。メーカーの人がパソコンから伸びるセンサーを胸にあてるとさっきと同じ警告音。担当医が「あれ?普段と違う認識音だ」「あ、でも認識しました、、」  それから二人でデーターを見ながら原因を探ってたが、「あー、ここで起きてる、、Aがどうのこうの、、」と専門用語で何言ってるのかわからなかった。可搬型の大きめの心電図もきてとられその場で見ながら模索してる様子。、「今、電気ショックの作動を一時止めましたから安心してください」、これを聞いて体の力が抜けた。『あぁ、これであの恐怖からしばし開放されるんだ』と思った。次に車イスで一階のレントゲン室に連れられ撮影。『こんな時間にもレントゲン技師も待機してるんだ』と驚いた。部屋に戻り、しばし経ってから「電極がずれて誤作動したようなのでそれを直す手術を朝一番にします」との事。 原因がわかれば対処もできる。それを聞いて力が抜け眠りについた。